ブタめん

すぐ役に立つことは、すぐ役に立たなくなる。

「第4回 現代の教養7科目+2科目」

 はじめに

 

 こんにちは。

 

 前回の記事の最後に、これから自分のインプット兼アウトプットを中心に発信していくと締めくくりました。とはいえ、何から書いていけば良いのかわからないよと困ってしまいました。そこで、自宅にある積み本を漁っていました。すると、今後の学びの羅針盤となり得る本を発見しました。今回の記事では、その本に沿った内容で記事を書いていこうと思います。何かを学びたいけれど、何から勉強すれば良いのかわからないよ、という人の参考となれれば幸いであります。今回の参考文献は、池上彰『おとなの教養』という本です。

 

 やっぱり教養が大事だった

 

 多くの大学では、自身で専攻した分野について専門的に学ぶ専門科目と、一般教養を学ぶ一般教養科目があります。実はこの一般教養科目は、一時期ほとんどの大学で廃止されたことがあるそうです。その背景は、文科省による大学設置基準の大綱化(自由化)と、即戦力を求めた企業側の要望によるものだそうです。日本の多くの大学で、一般教養課程が廃止されました。学生も大学に入ったんだからさっさと専門知識を学びたい、企業だって専門知識を備えた即戦力を欲していたのです。ある意味、社会のニーズに合わせた改革でした。

 しかし結果はどうなったのかというと、「最近の若者は一般常識が無い」といった不満が世の中や企業から出てくるようになってしまったのです。そこで再び、一般教養(リベラルアーツ)の価値が見直されました。多くの大学で、廃止されていた一般教養課程を復活させたのです。

 

 すぐ役に立つことは、すぐ役に立つたなくなる

 

 アメリカにあるマサチューセッツ工科大学では、最先端の科学技術以外にも、音楽などに力を入れているようです。いくら最先端の科学技術を教えても、数年後には陳腐化してしまう。だから、社会の急速な変化に対応できる、もしくは自らが新しい価値を創造していく、そのようなスキルを大学で教えるべきだと考えているようです。

 ボストンにある女子大学では、経済学は世の中の仕組みを理解する上で必要だから教える。けれど、経営学は会社で働く上ですぐ役に立つ学問だから、大学では教えるつもりはないとのことです。

 ハーバード大学でも、大学の4年間で一般教養をみっちり叩き込まれます。その後、医者や弁護士など専門的な職業に就きたければ、大学院やロースクールに行けばいい、とのことです。

 

 生きていく上で、すぐには役に立たないかもしれない。けれど、それは自分を支える基盤となり得るものとなる。そうした基盤を持っていれば、どんなに時代が変わっても、自分の軸で、モノゴトを捉えることができるはずだ。それこそが、教養を学ぶ意味である、ということです。

 

 リベラルアーツとは何か

 

 リベラルアーツとは、古代ギリシア・ローマ時代に起源をもつとされています。文法・算術・幾何学・音楽など、当時のヨーロッパで学問の基本中の基本とされた7科目を指します。

 リベラル(liberal)とは自由を意味し、アーツ(arts)は技術・学問・芸術を意味する言葉です。つまり、リベラルアーツとは、人を自由にする学問という意味です。さまざまな教養を身につけて、偏見から脱し、自由な発想でもって生きていける、そんな願いがこめられているそうな。

 

 現代の教養7科目+2科目

 

 この本の中では、著者が厳選した現代の教養7科目を紹介しています。それらに加えて、筆者が個人的に重要と捉える2科目も追加しました。以下、現代の教養7科目+2科目の概略をご覧ください。

 

 ①宗教

 洪水や地震など、自然災害が起きてしまえば、人間はあっけなく死んでしまう。きっと、我々人間にははかり知れない人智を超えた何かが、この世界にはあるに違いない。古代の人びとは、宗教(神や自然への信仰)によってこの世界の成り立ちを理解しようとした。科学技術が発達するまで、宗教は人びとにとって大きな心の支えだった。

 

 ②科学

 宗教が生まれると、「では、神はいったいどのようにしてこの世界をつくったのだろう?」こういった疑問が生まれた。神の論理を追究しようという動機から、科学は生まれ発展していった。

 私たちの今の生活は、革新的な発明によって形づくられている。今の世の中の仕組みと、これからの世の中がどうなっていくのかを理解するためには、科学を知る必要がある。

 

 ③人類の旅路

 科学によって、この世界の仕組みが次々と明らかになった。では、人類はいつ、どこで生まれ、どのように世界中にひろがっていったのか?人類の旅路を知ることは、自分自身を知ることでもある。

 

 ④病気

 生物や人類の進化の過程には、「病気」が深く関わっている。人間の進化の歴史は、病気とともにある。病気を知ることも、自分自身を知ることにつながる。

 

 ⑤経済学

 人間はやがて社会を形成し、経済活動を始めた。人間の経済活動に関するメカニズムを知りたいという欲求から、経済学という学問が生まれた。

 経済学によって、私たちの社会、あるいは歴史は大きく変化した。ひとつの思想が生まれ、その思想を理想とする国家が生まれ、崩壊する歴史が生まれた。

 宗教や化学同様、経済学もまた、世の中を大きく動かしてきた。私たちが生きている世の中の仕組みを知るためには、経済学を学ぶ必要がある。

 

 ⑥歴史

 人類は記号や文字などを用いて、記録を取ったり、意思を伝え合い始めた。それらの記録は、過去の人びとの生活や価値観を知る重要な手がかりとなる。

 過去に学び現在や未来に活かす。多用な社会や価値観を知れる。自分の生まれた国、自分自身を知ることにもつながる。歴史を学ぶことが、それらを身につけるきっかけとなる。

 

 ⑦日本と日本人

 日本とは何か?日本人とは何か?こうした問いを深めていくと、それらがとても曖昧なものであることが理解できる。こうした思索をつうじて、「自分とは何か?」を考える手がかりとなるかもしれない。

 

 ⑧哲学

 人類が歴史を積み重ねていく過程で、人びとは絶対的な真理を追い求めた。国家とは、人とはどうあるべきか。

 時代や環境によって、常識やルールは変わってきた。私たちの思想はどのような変遷を経て今に至ったのだろう。「ホントウの真理」なんてあるのだろうか?哲学は、それを探る手段となり得るはずである。

 

 ⑨お金

 お金、それは人類が生み出した最も偉大な発明と言っても良いかもしれない。お金の誕生で、私たちの生活は豊かになった。私たちは、お金を多く持っている人が1番エラい、という価値観に何の疑問も持たない。どうして世の中に勝ち組とか負け組といった言葉が蔓延っているのだろう?

 お金とは何で、なぜ生まれたのか?お金について学べば、お金との向き合い方がわかるかもしれない。

 

 おわりに

 

 この記事では、参考文献を基に、教養の必要性を述べたり、著者が厳選する現代の教養7科目および、筆者が独自に追加した2科目について述べてきました。

 さて、今後はとりあえず、これら9科目に関する、筆者の学びのインプットを発信していこうと思います。気が向いた時に書いていく予定であります。

 この記事が、何かを学びたいけどわからないという人のお役に立てたなら、筆者にとってこれ以上の喜びはありません。

 

 それでは。

 

 

 参考文献

 

池上彰『おとなの教養』NHK出版、2014年。

 

 

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