ブタめん

すぐ役に立つことは、すぐ役に立たなくなる。

「第7回 著作権の構造」

 はじめに

 

 こんにちは。

 

 前回の記事では、著作権の歴史についてお話しました。時代のニーズに合わせて、著作権の在り方も変化している、ということでした。

 

 今回の記事ではいよいよ、著作権の中身・構造について説明していきます。

 

 著作権の構造

 

 知的財産権

 

 まず著作権とは、知的財産権のひとつです。知的財産権とは、知的創作活動の権利を守るためのモノです。著作権産業財産権特許権・商標権など)が含まれます。

 

 著作権法で保護されるのは、「思想又は感情を創作的に表現したもの」です(註1)。だから、単に頭の中にあるだけのアイデアや構想は、著作権法の保護の対象ではありません。経済的な利益の確保のために権利が認められるもの、科学技術分野における高度なもの、これらは商標や特許などで保護されます。

 

 著作権

 

著作権法第1条

「この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。」(註2)

 

 著作者等というのは、作品をつくった人(著作者)、作品の権利を持つ人(著作権者)、作品を演じたり放送したりして拡散する人(著作隣接者)のことです。

 著作権法とは、作品をつくった人、作品の権利を持つ人、作品を演じたり放送したりして広める人、これらの人びとの権利を守るための法律のことです。

 著作権は、著作者人格権著作権(財産権)とに分かれます。そして著作者人格権著作権(財産権)の中身も、さまざまな権利が含まれています。

 作品を広めてくれる人たちの権利は、著作隣接権で守られます。

 

 著作者人格権

 

 著作者人格権とは、著作者(作品をつくった人)だけが持つことのできる権利のことです。著作者の精神的利益を守ることが目的です。著作者人格権には、公表権、氏名表示権、同一性保持権などが含まれます。

 

 公表権

 

著作権法第18条第1項

著作者は、その著作物でまだ公表されていないもの(その同意を得ないで公表された著作物を含む。以下この条において同じ。)を公衆に提供し、又は提示する権利を有する。」(註3)

 

 ⇨公表権とは、作品を公開できる権利のことです。作品を公開できるってことは、逆に公開しない権利もあるよっていう意味も含まれています。要するに、勝手に作品を公開するなよと言える権利のことです。イヤイヤ、でもみんなネットや現実問わず、他人の作品を無断で公開しているよ。ブログやSNSに他人が書いた本やイラストを載せてるケド、本当はダメなの?著作権法違反で捕まっちゃうの!?このような疑問に関しては、今後の記事で解説予定です。ヒントは「著作権の制限」です。

 

 氏名表示権

 

著作権法第19条第1項

著作者は、その著作物の原作品に、又はその著作物の公衆への提供若しくは提示に際し、その実名若しくは変名を著作者名として表示し、又は著作者名を表示しないこととする権利を有する。」(註4)

 

 ⇨氏名表示権とは、作品を公開する際に、実名または変名(ペンネームなど)を付けて公開できる、または作者名を入れないで公開できる権利のことです。実名で名を売って実績と信頼を積み重ねたいって人は、実名を添えて作品を発表すれば良いし、身バレとか怖いし、名前を入れないか変名にしよっかなー、というのはアナタの判断でご自由にどうぞってことです。このブログを書いている人も、ブタめんなどというふざけた変名を使っていますけど、それも私の自由ですよって話です。

 

 同一性保持権

 

著作権法第20条第1項

著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする。」(註5)

 

 ⇨同一性保持権とは、要するに、オレ(著作者)に無断で作品の内容やタイトルをイジくるなよと言える権利のことです。

 

 著作者人格権は手放せない

 

著作権法第59条

著作者人格権は、著作者の一身に専属し、譲渡することができない。」(註6)

 

 ⇨著作者人格権は、著作者(つくった人)のみが持てるモノなので、人にあげたりできないぜって言ってます。

 

 著作権(財産権)

 

 著作権(財産権)とは、著作者または著作権者の財産的利益を守るための権利を言います。法律用語では、広義の意味での著作権と、狭義の意味での著作権(財産権)に分かれるようです。著作権」という言葉が出てきた時、それが「著作権全般」を意味しているのか、それとも「財産権」のみを指しているのか、注意が必要です。

 財産権には、複製権、上演権・演奏権、上映権、公衆送信権、譲渡権、二次的著作物の利用に関する権利などが含まれます。

 

 複製権

 

著作権法第21条

著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。」(註7)

 

 ⇨複製権とは、作品をつくった人もしくは権利を持つ人だけが、コピー(印刷・撮影・録音・録画など)できる権利を持つんだぜってことです。つくった人もしくは権利を持つ人だけがコピーできるってことは、すなわち、勝手にコピーするなよって言える権利があるって意味です。

 

 上演権・演奏権・上映権

 

著作権法第22条

著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として(以下「公に」という。)上演し、又は演奏する権利を専有する。」(註8)

 

 ⇨上演権・演奏権とは、作品を上演したり、演奏できる権利のことです。コレも先ほどの複製権同様、勝手に上演・演奏するなよって言える権利を意味します。

 同じような権利に、上映権(第22条の2)というモノがあります。コレは、勝手に上映するなよって言える権利のことです。

 

 公衆送信権

 

著作権法第23条第1項

著作者は、その著作物について、公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行う権利を専有する。

 

著作権法第23条第2項「著作者は、公衆送信されるその著作物を受信装置を用いて公に伝達する権利を専有する。」(註9)

 

 ⇨公衆送信とは、放送で流したり、インターネットに公開したりすることです。

 テレビやパソコン、スマホなどの受信機を用いて、公衆に向けて放送したり公開できる権利のことです。コレもやはり、勝手に放送するな・ネットに上げるなと言える権利を意味します。

 

 譲渡権

 

著作権法第26条の2

著作者は、その著作物(映画の著作物を除く。以下この条において同じ。)をその原作品又は複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。以下この条において同じ。)の譲渡により公衆に提供する権利を専有する。

 

著作権法第26条の2第2項

前項の規定は、著作物の原作品又は複製物で次の各号のいずれかに該当するものの譲渡による場合には、適用しない。

 

著作権法第26条の2第2項第1号

前項に規定する権利を有する者又はその許諾を得た者により公衆に譲渡された著作物の原作品又は複製物」(註10)

 

 ⇨譲渡権とは、作品そのものまたは作品のコピーを、公衆に提供できる権利のことです。コレも今までの権利同様、勝手に譲るなと言える権利を意味します。この権利は、いわゆる海賊版対策・転売差し止めを目的としてもうけられたモノのようです。

 なんですけど、「権利を有する者又はその許諾を得た者により公衆に譲渡された著作物の原作品又は複製物」に関しては、適用しないとされています。つまり、お店で買った本やCD、ゲームソフト等は、譲渡権がすでに無くなっているので、メルカリで売ったりするのは自由ってことです。

 また、この権利は「公衆」向けのモノですから、「特定少数の相手」へのプレゼントとかならば問題ありません

 

 二次的著作物の利用に関する権利

 

著作権法第28条

二次的著作物の原著作物の著作者は、当該二次的著作物の利用に関し、この款に規定する権利で当該二次的著作物の著作者が有するものと同一の種類の権利を専有する。」(註11)

 

 ⇨二次的著作物とは、既存の作品を元にしてつくられた作品のことです。こういった二次的著作物の利用に関しては、二次的著作物をつくった人だけでなく、元の作品をつくった人にも権利がありますよってことです。たとえば、『ドラゴンボール』の続編である『ドラゴンボール超』をあなたが何らかのかたちで利用したい場合には、作者のとよたろう先生(二次的著作物の著作者)だけでなく、鳥山明先生(原著作物の著作者)にも、許可を取る必要があるってことです。(コレはあくまでも単純化した例えです。『ドラゴンボール超』の場合、出版社やアニメ制作会社、テレビ局なども権利を持っているハズですから、実際はもっとややこしいと思います。)

 

 財産権は他にも、口述権・展示権・頒布権・貸与権・翻訳権・翻案権などがあります。興味のある人は調べてみてください。

 

 イヤイヤ、勝手にコピーするなとか、勝手に演奏するなとか、勝手にネットに上げるなとか言うけどさ、みんな平気で、他人の作品を無断で公開してるってばよ。ブログやSNSに他人が書いた本やイラストを載せてるじゃん、論文とかでも引用が頻繁にされてるけど、本当はダメなの?著作権法違反で捕まっちゃうの!?確かにつくった人たちの権利を守ることは大事だけどさ、いちいち使いたいから良いですか?って確認するのは、許可を与える方も大変じゃない?はい、コレも先ほどの著作者人格権の公表権のケースと同様、今後の記事で解説予定です。ヒントは「著作権の制限」です。

 

 著作権(財産権)は手放せる

 

 ちなみに、ここまで見てきた財産権は、著作者人格権とは異なり、人に売ったり譲ったりすることが可能です。

 

著作権法第61条第1項

著作権は、その全部又は一部を譲渡することができる。」(註12)

 

 コレが、著作権をややこしくさせている要因でもあります。たとえば、昔人気だったあるゲームソフトをダウンロード配信するとします。でも、販売会社には許可が取れたけど、制作会社の方はもう潰れていて、制作会社側の権利の所在が分からない、だから配信ができない、などということが起こりえるのです。私がよくプレイするゲームソフト「スーパーロボット大戦」(通称スパロボ)も、プレイヤーたちの間でよく、「この作品は版権がややこしいから、参戦できるのだろうか?」といったことが話題になります。版権とは、著作権の旧称のことです。著作権を複数の会社で管理しているから1社1社に許可を取るのが大変だったり、原作者が海外のアニメ会社著作権を売ったあげく、権利がたらい回しにされているから実質参戦は絶望的、などといった問題が出てくるのです。スパロボはさまざまなロボットアニメ作品が、一堂に会するゲームソフトです。ゲームソフトは商業目的でつくられるモノです。スパロボのスタッフは各作品の著作権者たちに、「参戦させたいんですけど良いですか?」と許可をもらっているのです。私たちがスパロボをプレイできるのも、そうした製作者たちの血のにじむような苦労があってこそなんですね。

 

 おわりに

 

 今回は、著作権の構造について述べてきました。著作権を一言で言い表すと、「勝手に〇〇するな!」と言える権利と言えるでしょう。勝手にコピーするな、勝手にイジくるな、こういった権利が著作権にはあるのですね。

 

 今回の内容を、改めて整理しておきます。

 著作権は、知的財産権のひとつである。

 著作権は、著作者人格権著作権(財産権)に分かれる。

 著作者人格権の中には、公表権・氏名表示権・同一性保持権などが含まれる。

 財産権には、複製権・上演権・演奏権・上映権・公衆送信権・二次的著作物の利用に関する権利、などが含まれている。

 財産権は人に売ったり譲ったりできるけど、著作者人格権は作品を生み出したあなただけのモノである。

 

 次回は、ブログを書いたりSNSで発信しているみなさんが特に知りたいであろう、「引用」について説明できればと思います。

 

 ではまた。

 

 

 

(1)「著作権法第2条1号」『e-GOV法令検索』最終閲覧2024年4月6日

  (https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345AC0000000048)。

(2)「著作権法第1条」同前。

(3)「著作権法第18条第1項」同前。

(4)「著作権法第19条第1項」同前。

(5)「著作権法第20条第1項」同前。

(6)「著作権法第59条」同前。

(7)「著作権法第21条」同前。

(8)「著作権法第22条」同前。

(9)「著作権法第23条第1項」「著作権法第23条第2項」同前。

(10)「著作権法第26条の2」「著作権法第26条の2第2項」「著作権法第26条の2第2項

  第1号」同前。

(11)「著作権法第28条」同前。

(12)「著作権法第61条第1項」同前。

 

 参考文献

 

宮武久佳『正しいコピペのすすめ』岩波書店、2017年。

久保田裕(監修)『13歳からの著作権』メイツ出版、2022年。

井上拓『SNS別 最新 著作権入門』誠文堂新光社、2022年。

広辞苑』第6版。

『ブリタニカ国際大百科事典』

『百科事典マイペディア』

 

※辞典類は筆者所有の電子辞書EX-word内臓の物を使用。

 

 参考資料

 

「令和5年度著作権テキスト」『文化庁ホームページ』最終閲覧2024年4月6日

https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/93726501.html)。

 

 

 

 無断転載・無断複製禁止。ただし、私的利用、教育・研究目的での使用に関しては、著作権者の許諾を取る必要はありません。

 ⇨個人的な利用(お仕事以外ってことです。)のためにこの記事をコピーするとか、授業の配布資料にするためコピーしたり、学校の課題レポートの参考資料とするためコピーするとかなら、いちいち私に確認を取る必要は無いっすよ、という意味です。参考・引用したことはちゃんと明記してください。

 ご自身のSNSなどに、このブログの記事を引用・転載する場合、出所(サイト名やURL)を明記してくれれば、基本的には確認なしでOKです。

 ただし、記事内で参考・引用されている著作物を使用する場合は、参考文献一覧などをもとに、ご自身で探したものを使ってください。

 

©2024 butamenlabo All Rights Rserved.

 

「第6回 著作権の歴史」

 はじめに

 

 こんにちは。

 

 前回は、著作権とは何ぞや?という内容で記事を書きました。著作権とは、つくった人、権利を持つ人、広める人、これらの人びとの権利を守るための法律なんだよー、ということを学びました。

 

 今回の記事では、著作権の歴史について述べていきます。著作権ってどういうものなのかは、何となくわかったぜと。じゃあ著作権の歴史って何なんだろう、著作権とはどうやって生まれたのだろう、ということが気になりました。これから、著作権の歴史について述べていきます。

 

 著作権の歴史

 

 印刷技術の発達と著作権法の誕生

 

 15世紀半ば、ドイツのグーテンベルクにより、活版印刷術が実用化されました。従来の印刷技術よりも、容易に印刷ができるようになりました。これにより、聖書などの文書の大量生産が可能となり、思想の伝達も格段にスピードアップしました。このことは、後のルネサンス宗教改革にも大きな影響を与えることになりました。印刷技術の発達は、ヨーロッパ社会を大きく変える要因のひとつとなりました。

 

 18世紀初頭、イギリスでアン女王法が制定されました。このアン女王法は、現在の著作権法の原型といえるものでした。この法律によって、著作者の権利が認められ、著作権の有効期間が定められました。アン女王法をうけて、19世紀中には、ヨーロッパ諸国で著作権の整備が進みました。

 

 ベルヌ条約

 

 しかし、その後もヨーロッパでは、国をまたいだニセ本(海賊版)の流通が止まりませんでした。お隣の国でウケてる作品を自国の言葉に翻訳して、勝手に出版する輩がウジャウジャいたのです。現代でも、ネット上に無断で他人の作品をアップロードしている人がたくさんいます。歴史を学ぶと、人類は進歩しているのかしていないのか、わからなくなる時があります。話が脱線してしまいましたので戻します。19世紀のヨーロッパでは、海賊版の出版が横行していました。『レ・ミゼラブル』などで知られるフランスの小説家ヴィクトル・ユゴーも、海賊版に頭を悩ませていました。政治家でもあったユゴーは、国際文芸協会を設立しました。著作権のことを国際的な外交問題・社会問題として訴えようとしたのですね。

 

 ユゴーの死から1年後の1886年ベルヌ条約(万国著作権保護同盟条約)が制定されます。スイスのベルン(ベルヌ)で作られたことから、ベルヌ条約と呼ばれています。世界初の、著作権の国際ルールが誕生しました。現在の加盟国は約180ヵ国です。日本は1899年にこの条約に加盟しました。ちなみに、日本がアジアで最初のベルヌ条約加盟国です。このベルヌ条約では、無方式主義(著作権の発生に登録などの方式を必要としない主義)の採用、著作者人格権(つくった人のみに認められる権利)の承認、著作権の保護期間を著作者の死後50年とする、などの特徴があります。日本もベルヌ条約に加盟しているので、日本の著作権法も、ベルヌ条約に準拠したものです。以下に、ベルヌ条約を引用します。

 

第5条(2)

「権利の享有及び行使には、いかなる方式の履行をも要しない。」(註1) 

 

 ⇨著作権の発生と著作権を使いたい場合については、いかなる申請や手続きも必要ないぜ、ってことを言ってます。これを無方式主義と言います。

 

第6条の2(1)

「著作者は、その財産的権利とは別個に、この権利が移転された後においても、著作物の創作者であることを主張する権利及び著作物の変更、切除その他の改変又は著作物に対するその他の侵害で自己の名誉又は声望を害するおそれのあるものに対して異議を申し立てる権利を保有する。」(註2)

 

第6条の2(2)

「(1)の規定に基づいて著作者に認められる権利は、著作者の死後においても、少なくとも財産的権利が消滅するまで存続し、保護が要求される国の法令により資格を与えられる人又は団体によつて行使される。」(註3)

 

 ⇨つくった人(著作者)が、著作権(ここで言う著作権とは財産権のこと、作品を使うならオレに金払えよとか言える権利)を他人に譲ったりしても、①コレは私の作品ですと主張したり、②勝手に改変しないでくださいと言えたり、③無断で作品を使われたり改変されたりして、自身の名誉が傷つけられたりしたら、訴えてやるぞと言えたりする権利のことです。これらつくった人のみに認められる権利を著作者人格権と言います。そしてこの権利は、つくった人が亡くなった後も、著作権(財産権)が消滅するまでは著作権(財産権)同様、保護されるべきだよねーって言ってます。

 

第7条(1)

「この条約によつて許与される保護期間は、著作者の生存の間及びその死後五十年とする。」(註4)

 

 ⇨ベルヌ条約が定める著作権の保護期間は、(作品を)つくった人が生きている間、またはつくった人が死んでから50年ですと言ってます。ちなみに、日本や欧米を含む多くの国では現在、著作権の保護期間は、著作者の死後70年とされています。

 

 広める人たちの権利も認められた

 

 さらに1961年、ローマ隣接権条約で、著作隣接権が国際的に認められます。著作隣接権とは、演じたり放送したりして、作品を広める役割を担う人たちが持つ権利のことです。作品が世に知られて、多くの人たちに支持されるのは、演じたり放送するなどして、作品を広める人がいるからですよね。だから、つくった人(著作者)や権利を持つ人(著作権者)だけじゃなくて、広める人(著作隣接者)の権利だって守ろうよ、ということになりました。ちなみに、日本はやや遅れて1989年に加入しました。

 

 国際的な統一は現在進行形で続いている

 

 ベルヌ条約は、その後数回にわたり改正されています。しかし、すべての加盟国が改正を認めているわけではありません。ベルヌ条約はヨーロッパで生まれたモノです。ヨーロッパ中心の考えを勝手に押しつけるなよと、反発している国もあるのです。

 なかでもアメリカおよび中南米諸国は、方式主義を採用している国々が多数を占めています。方式主義とは、権利の発生などに何らかの方式(手続きや登録)が必要だとする考え方です。前述のように、ベルヌ条約で定める著作権の原則は無方式主義(権利の発生に申請や登録は要らないぜ主義)です。このため、アメリカなど米大陸の国々は、ベルヌ条約とは別に、独自の著作権協定を結んでいました。

 

 そこで、ベルヌ条約アメリカ大陸諸国との調整のために、1952年には万国著作権条約が成立し、1970年にはWIPO世界知的所有権機関)が発足しました。WIPOは1974年、国連専門機関となりました。万国著作権条約WIPOはともに、方式主義をとる米大陸諸国と、無方式主義をとるヨーロッパ諸国との間の調整を目的として誕生しました。日本も旧著作権法を全面改正して、これらに加盟しています。しかし現在でも、各国間の調整に難航しているようです。

 

 時代に合わせて変わってきた

 

 1950年代から60年代には、テレビが一般家庭にも普及し始めました。1970年代から80年代には、コピー機やテープレコーダー、ビデオデッキ、ファクスやワープロなどが、広く普及しました。1990年代から2000年代(ゼロ年代)には、パソコンや携帯電話などが、多くの人びとに受け入れられました。2010年代には、ブログや動画サイト、SNSなどの普及で、誰でも簡単に、創作者・発信者になれる時代になりました。

 技術の進歩とともに、誰でも簡単にコピー(印刷・録音・録画など)ができる時代となりました。録音したカセットテープ、録画したビデオテープの貸し借りが日常的な光景となれば、私的使用の範囲ならまあいいでしょうと著作権法が改正されました。パソコンや携帯電話でみんなが動画や音楽を楽しむ時代となれば、勝手に他人の作品をネット上にアップロードしたり、そうしたモノをダウンロードするのも、全面的に認めませんよとなりました。動画サイトでゲーム実況が流行れば、ゲーム実況に関するガイドラインが制定されたりしました。さらに現在、AI(人工知能)と著作権の関係という新たな課題も発生しています。時代の変化に合わせて、著作権の在り方も変わってきているのです。

 

 おわりに

 

 今回の記事では、著作権の歴史について述べてきました。著作権の歴史は、印刷の普及とともに始まりました。海賊版流通、コピー技術の一般普及などの社会問題、そして国際的な統一やAIとの関係などの現在的課題が明らかになりました。後半などはやや駆け足となってしまいましたが、役に立った、面白かったと感じてくれれば幸いであります。

 

 次回も著作権について書く予定です。

 

 ではまた。

 

 

 

 

(1)「文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約パリ改正条約(抄)」

 『公益社団法人著作権情報センター』最終閲覧2024年3月29日 

 (https://www.cric.or.jp/db/treaty/t1_index.html)。

(2)同前。

(3)同前。

(4)同前。

 

 参考文献

 

宮武久佳『正しいコピペのすすめ』岩波書店、2017年。

広辞苑』第6版。

『ブリタニカ国際大百科事典』

『百科事典マイペディア』

『ビジュアル大世界史』日経ナショナル ジオグラフィック社、2007年。

『ビジュアル科学大事典』日経ナショナル ジオグラフィック社、2008年.。

 

※『正しいコピペのすすめ』以外の参考文献は、筆者所有の電子辞書EX-word内臓の物を使用。

 

 参考資料

 

著作権の歴史 聖書印刷からビッグデータ活用に至る軌跡を丁寧に解説」

コンプライアンス研究所』最終閲覧2024年3月29日

https://compliance.lightworks.co.jp/learn/copyright-history/)。

 

著作権の始まり」『歴史に学ぶ知的財産権』最終閲覧2024年3月29日

https://sojo.yamanashi.ac.jp/bul/final97/contents/fujihara/l013.html)。

 

著作権法第30条」『e-Gov法令検索』最終閲覧2024年3月29日

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345AC0000000048)。

 

著作権法第30条第1項3号」同前。

 

著作権法第51条第2項」同前。

 

著作権法第119条第2項4号」同前。

 

 

 

 無断転載・無断複製禁止。ただし、私的利用、教育・研究目的での使用に関しては、著作権者の許諾を取る必要はありません。

 ⇨個人的な利用(お仕事以外ってことです。)のためにこの記事をコピーするとか、授業の配布資料にするためコピーしたり、学校の課題レポートの参考資料とするためコピーするとかなら、いちいち私に確認を取る必要は無いっすよ、という意味です。参考・引用したことはちゃんと明記してください。

 ご自身のSNSなどに、このブログの記事を引用・転載する場合、出所(サイト名やURL)を明記してくれれば、基本的には確認なしでOKです。

 ただし、記事内で参考・引用されている著作物を使用する場合は、参考文献一覧などをもとに、ご自身で探したものを使ってください。

 

©2024 butamenlabo All Rights Rserved.

 

「第5回 著作権って何?」

 はじめに

 

 こんにちは。

 

 今回は著作権について、調べたことを述べていきます。

 今の時代、誰でもインターネットを介して、不特定多数の人びとへ、自身の見解や作品を届けられる時代となりました。

 私も今後、ブログに記事を投稿していく際に、さまざまな資料を参考・引用していくと思います。そんなとき、超ビビりな私は、うっかり他人の権利を侵害してしまったらどうしようと心配になっちゃいました。逆に、自分の権利が他人に侵害されてしまうことだってあるかもしれません。

 ですから、そういった心配事を払拭するために、まずは著作権について学んでいこう、と思った次第であります。

 

 著作権とは

 

 まずはじめに、著作権ってそもそも何でしょうか?とりあえず、辞書でも引いてみましょうか。

 

「(Copyright)知的財産権の一つ。著作者がその著作物を排他的・独占的に利用できる権利。その種類は著作物の複製・上演・演奏・放送・口述・展示・翻訳などを含み、著作者の死後一定期間存続する。」(註1)

 

「自分の著作物が他人に勝手に▵利用(複製・翻訳・上演・上映など)されないように、原作の無断使用を禁止する権利。死後も一定期間存続する。」(註2)

 

 著作権は英語でCopyright(コピーライト)。つまり、コピー(Copy〔複製〕)に関する権利(right)ってことです。自分がつくったもの(著作物)を、誰かに勝手にコピーされたり、公開されたり、加工されないための権利、それが著作権なのですね。実はこれ、勝手に〇〇されない権利ってことは、許可を取ったり、ルールさえ守れば、使用しても良い、という意味も含んでいるんです。法律ってムズカシイね。その点については著作権法の例外として、今後解説する予定です。

 

 では、著作権に関するルールである著作権法とは何なのでしょうか?

 

 著作権法の目的

 

「この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。」(註3)

 

 著作者等というのは、つくった人(著作者)、権利を持つ人(著作権者)、演じたり放送したりして広める人(著作隣接者)のことです。

 あれ?つくった人と権利を持つ人って一緒じゃないの!?という疑問を抱いたそこのあなたはするどいです。これ、今後の記事で解説する予定ですけど、かんたんに説明しておきます。著作権というのはまず、基本はつくった人に発生します。そしてそのつくった人が持つ権利を、他人に貸したり、譲ったりできるのです。だから、つくった人(著作者)と、権利を持つ人(著作権者)が別々に存在する。こういったことが起きるんですね。

 著作権法とは、つくった人(著作者)、権利を持つ人(著作権者)、広める人(著作隣接者)、これらの人びとの権利を守るための法律である、ということですね。つくった人たちの権利がちゃんと守られているからこそ、あらゆる文化が健全に発展できる。つまり、文化の発展に寄与できるんだ、そのような意図があるのです。

 

 では、著作者等によって生み出されたもの=著作物とは何なのでしょうか?

 

 著作物とは

 

 著作物とは、「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」(註4)

 

 著作物の範囲については多岐にわたります。条文にあるように、「文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」。そのほか、絵画、彫刻、建築、写真、動画、ゲームソフト、ダンスの振り付けなど、あらゆるものが著作物であるとされています。「思想又は感情を創作的に表現したもの」であると認められれば、たとえ子どもが描いた落書きであっても著作物となり、保護の対象となるようです。

 余談ですけど、私はとある居合の流派を独学でたしなんでおりまして。そういった武道の形というのは、著作物にはあたらないようです。まあ、著作物とみなされたとしても、古武道なら生まれて数百年くらい経ってる流派がほとんどですからね。とっくに保護期間は終わってますね。

 

 ちなみに、単なるデータや事実、誰でも簡単にできる表現は著作物になりません。単なるデータや事実とは、国の面積や人口、気象情報や為替表などのこと。誰でも簡単にできる表現というのは、あいさつや決まり文句(お電話ありがとうございますとか)といったいわゆる定型文のことです。ただし、これらを用いて創作的に表現されたものであれば、著作物となります。

 また、イデアも著作物ではありません。料理のレシピ本やレシピ動画などは著作物になります。けれど、レシピのアイデア自体は、「思想または感情を創作的に表現したもの」ではありません。あくまでも、文章や絵、歌などの形になってあらわされているものでなければ、「表現したもの」とは言えない。すなわち著作物ではない、というわけです。ただし、経済的な利益の確保のために権利が認められるもの、科学技術分野における高度なもの、これらは商標や特許などで保護されます。

 ほかにも、法律、条例など、もともと公益目的で作られているものについては、原則著作権の保護対象ではありません。ですが、それらを印刷したものは、著作権法の保護の対象に含まれる可能性があるので注意が必要です。

 

 じゃあ、そもそも著作権ってどうやったら持てるの?何か申請とか必要なんでしょうか?

 

 著作権ってどうやって取るの

 

著作者人格権及び著作権の享有には、いかなる方式の履行をも要しない。」(註5)

 

著作権の存続期間は、著作物の創作の時に始まる。」(註6)

 

 著作権の発生については、「著作物の創作の時に始まる」とされています。著作権の取得については、「いかなる方式の履行をも要しない」と定められています。あなたが何かの創作物を生み出した時点で、自動的に著作権は発生します。なので、何か特別な手続きをしなくても、作品をつくったのなら、すでに権利を持っていますよ、ということです。

 

 おわりに

 

 今回は、著作権について調べたことを述べてきました。私は、自分の感想や体験以外のことをブログに書く際、なるべく情報の出所を明記するよう注意を払っているつもりです。それは、自身の主張の根拠を示すのと同時に、参考・引用元に対して、最低限の敬意を払わなければ、という思いからです。今回改めて、著作権について学んだことで、うっかり他人の権利を侵害してしまわないように、また、自分の権利は自分でしっかり守らなきゃなと思いました。

 

 さて、今回の内容を振り返りましょう。

 著作権とは、自分がつくったものを、誰かに勝手にコピーされたり、公開されたり、加工されないための権利である。

 著作権法とは、つくった人、権利を持つ人、広める人、これらの人びとの権利を守るための法律である。

 著作物とは、「思想又は感情を創作的に表現したもの」である。

 著作権は、あなたが作品を生み出した時点で発生する。

 

 次回も著作権について書く予定です。

 

 ではまた。

 

 

 

(1)『広辞苑』第6版。

(2)『新明解国語辞典』第7版。

(3)「著作権法第1条」『e-GOV法令検索』最終閲覧2024年3月21日

 (https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345AC0000000048)。

(4)「著作権法第2条1号」(同前)。

(5)「著作権法第17条2項」(同前)。

(6)「著作権法第51条」(同前)。

 

※辞典類は筆者所有の電子辞書EX-word内臓の物を使用。

 

 参考文献

 

宮武久佳『正しいコピペのすすめ』岩波書店、2017年。

久保田裕(監修)『13歳からの著作権』メイツ出版、2022年。

井上拓『SNS別 最新 著作権入門』誠文堂新光社、2022年。

 

 

 無断転載・無断複製禁止。ただし、私的利用、教育・研究目的での使用に関しては、著作権者の許諾を取る必要はありません。

 ⇨個人的な利用(お仕事以外ってことです。)のためにこの記事をコピーするとか、授業の配布資料にするためコピーしたり、学校の課題レポートの参考資料とするためコピーするとかなら、いちいち私に確認を取る必要は無いっすよ、という意味です。参考・引用したことはちゃんと明記してください。

 ご自身のSNSなどに、このブログの記事を引用・転載する場合、出所(サイト名やURL)を明記してくれれば、基本的には確認なしでOKです。

 ただし、記事内で参考・引用されている著作物を使用する場合は、参考文献一覧などをもとに、ご自身で探したものを使ってください。

 

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「第4回 現代の教養7科目+2科目」

 はじめに

 

 こんにちは。

 

 前回の記事の最後に、これから自分のインプット兼アウトプットを中心に発信していくと締めくくりました。とはいえ、何から書いていけば良いのかわからないよと困ってしまいました。そこで、自宅にある積み本を漁っていました。すると、今後の学びの羅針盤となり得る本を発見しました。今回の記事では、その本に沿った内容で記事を書いていこうと思います。何かを学びたいけれど、何から勉強すれば良いのかわからないよ、という人の参考となれれば幸いであります。今回の参考文献は、池上彰『おとなの教養』という本です。

 

 やっぱり教養が大事だった

 

 多くの大学では、自身で専攻した分野について専門的に学ぶ専門科目と、一般教養を学ぶ一般教養科目があります。実はこの一般教養科目は、一時期ほとんどの大学で廃止されたことがあるそうです。その背景は、文科省による大学設置基準の大綱化(自由化)と、即戦力を求めた企業側の要望によるものだそうです。日本の多くの大学で、一般教養課程が廃止されました。学生も大学に入ったんだからさっさと専門知識を学びたい、企業だって専門知識を備えた即戦力を欲していたのです。ある意味、社会のニーズに合わせた改革でした。

 しかし結果はどうなったのかというと、「最近の若者は一般常識が無い」といった不満が世の中や企業から出てくるようになってしまったのです。そこで再び、一般教養(リベラルアーツ)の価値が見直されました。多くの大学で、廃止されていた一般教養課程を復活させたのです。

 

 すぐ役に立つことは、すぐ役に立つたなくなる

 

 アメリカにあるマサチューセッツ工科大学では、最先端の科学技術以外にも、音楽などに力を入れているようです。いくら最先端の科学技術を教えても、数年後には陳腐化してしまう。だから、社会の急速な変化に対応できる、もしくは自らが新しい価値を創造していく、そのようなスキルを大学で教えるべきだと考えているようです。

 ボストンにある女子大学では、経済学は世の中の仕組みを理解する上で必要だから教える。けれど、経営学は会社で働く上ですぐ役に立つ学問だから、大学では教えるつもりはないとのことです。

 ハーバード大学でも、大学の4年間で一般教養をみっちり叩き込まれます。その後、医者や弁護士など専門的な職業に就きたければ、大学院やロースクールに行けばいい、とのことです。

 

 生きていく上で、すぐには役に立たないかもしれない。けれど、それは自分を支える基盤となり得るものとなる。そうした基盤を持っていれば、どんなに時代が変わっても、自分の軸で、モノゴトを捉えることができるはずだ。それこそが、教養を学ぶ意味である、ということです。

 

 リベラルアーツとは何か

 

 リベラルアーツとは、古代ギリシア・ローマ時代に起源をもつとされています。文法・算術・幾何学・音楽など、当時のヨーロッパで学問の基本中の基本とされた7科目を指します。

 リベラル(liberal)とは自由を意味し、アーツ(arts)は技術・学問・芸術を意味する言葉です。つまり、リベラルアーツとは、人を自由にする学問という意味です。さまざまな教養を身につけて、偏見から脱し、自由な発想でもって生きていける、そんな願いがこめられているそうな。

 

 現代の教養7科目+2科目

 

 この本の中では、著者が厳選した現代の教養7科目を紹介しています。それらに加えて、筆者が個人的に重要と捉える2科目も追加しました。以下、現代の教養7科目+2科目の概略をご覧ください。

 

 ①宗教

 洪水や地震など、自然災害が起きてしまえば、人間はあっけなく死んでしまう。きっと、我々人間にははかり知れない人智を超えた何かが、この世界にはあるに違いない。古代の人びとは、宗教(神や自然への信仰)によってこの世界の成り立ちを理解しようとした。科学技術が発達するまで、宗教は人びとにとって大きな心の支えだった。

 

 ②科学

 宗教が生まれると、「では、神はいったいどのようにしてこの世界をつくったのだろう?」こういった疑問が生まれた。神の論理を追究しようという動機から、科学は生まれ発展していった。

 私たちの今の生活は、革新的な発明によって形づくられている。今の世の中の仕組みと、これからの世の中がどうなっていくのかを理解するためには、科学を知る必要がある。

 

 ③人類の旅路

 科学によって、この世界の仕組みが次々と明らかになった。では、人類はいつ、どこで生まれ、どのように世界中にひろがっていったのか?人類の旅路を知ることは、自分自身を知ることでもある。

 

 ④病気

 生物や人類の進化の過程には、「病気」が深く関わっている。人間の進化の歴史は、病気とともにある。病気を知ることも、自分自身を知ることにつながる。

 

 ⑤経済学

 人間はやがて社会を形成し、経済活動を始めた。人間の経済活動に関するメカニズムを知りたいという欲求から、経済学という学問が生まれた。

 経済学によって、私たちの社会、あるいは歴史は大きく変化した。ひとつの思想が生まれ、その思想を理想とする国家が生まれ、崩壊する歴史が生まれた。

 宗教や化学同様、経済学もまた、世の中を大きく動かしてきた。私たちが生きている世の中の仕組みを知るためには、経済学を学ぶ必要がある。

 

 ⑥歴史

 人類は記号や文字などを用いて、記録を取ったり、意思を伝え合い始めた。それらの記録は、過去の人びとの生活や価値観を知る重要な手がかりとなる。

 過去に学び現在や未来に活かす。多用な社会や価値観を知れる。自分の生まれた国、自分自身を知ることにもつながる。歴史を学ぶことが、それらを身につけるきっかけとなる。

 

 ⑦日本と日本人

 日本とは何か?日本人とは何か?こうした問いを深めていくと、それらがとても曖昧なものであることが理解できる。こうした思索をつうじて、「自分とは何か?」を考える手がかりとなるかもしれない。

 

 ⑧哲学

 人類が歴史を積み重ねていく過程で、人びとは絶対的な真理を追い求めた。国家とは、人とはどうあるべきか。

 時代や環境によって、常識やルールは変わってきた。私たちの思想はどのような変遷を経て今に至ったのだろう。「ホントウの真理」なんてあるのだろうか?哲学は、それを探る手段となり得るはずである。

 

 ⑨お金

 お金、それは人類が生み出した最も偉大な発明と言っても良いかもしれない。お金の誕生で、私たちの生活は豊かになった。私たちは、お金を多く持っている人が1番エラい、という価値観に何の疑問も持たない。どうして世の中に勝ち組とか負け組といった言葉が蔓延っているのだろう?

 お金とは何で、なぜ生まれたのか?お金について学べば、お金との向き合い方がわかるかもしれない。

 

 おわりに

 

 この記事では、参考文献を基に、教養の必要性を述べたり、著者が厳選する現代の教養7科目および、筆者が独自に追加した2科目について述べてきました。

 さて、今後はとりあえず、これら9科目に関する、筆者の学びのインプットを発信していこうと思います。気が向いた時に書いていく予定であります。

 この記事が、何かを学びたいけどわからないという人のお役に立てたなら、筆者にとってこれ以上の喜びはありません。

 

 それでは。

 

 

 参考文献

 

池上彰『おとなの教養』NHK出版、2014年。

 

 

 無断転載・無断複製禁止。ただし、私的利用、教育・研究目的での使用に関しては、著作権者の許諾を取る必要はありません。

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「第3回 はてなブログとnoteの比較」

 はじめに

 

 こんにちは。

 

 前回の記事では、自分がブログを始めるにあたって、どのブログサービスが良いのか悩んでいたので、さまざまなブログサービスについて調べてみたよという内容でした。前回の結論としては、①はてなブログを始める②noteを始める③はてなブログとnoteの2つを始める、ということになりました。

 

 今回の記事では、はてなブログとnoteの業績を比較していきます。はてなブログとnoteではどちらが良いか、こうした内容のブログ記事はすでに多くの人が書いていると思います。しかしながら、それは実際に自身が使用してみての実感を述べている記事がほとんでであると思われます。もちろん、それも貴重な参考材料となることでしょう。とはいえ、客観的なデータを用いて比較・検討している記事は少ないな、というのが、私がざっとネットを調べてみて抱いた感想です(データにも作成者の意図が込められているので、研究レベルなら資料批判も必要です)。専門家の方から見れば、「ツメが甘いな」と指摘されかねない部分もあるかと思います。私は自分がブログを始めてみるにあたり、いろいろ調べて納得した上でやりたいなと思い、その過程を発信して記事を書いているに過ぎません。ですけど、情報の出所はきちんと最後に参考資料一覧を明記していますので、少なくとも妄想虚言の類いではない、ということだけはお断りしておきます。前置きが長くなりました。それではどうぞ。

 

 業績比較

 

 

売上高

営業利益

純利益

会員数

はてな(2023年7月期)

31.8億円

2.2億円

1.4億円

1214万人

note(2023年11月期)

27.8億円

-3億円

-4.1億円

733万人

 

 業績推移(はてな

 

 

2020年

2021年

2022年

2023年

売上高

25.4億円

26.2億円

30.6億円

31.8億円

営業利益

2.7億円

2.4億円

3.2億円

2.2億円

純利益

1.9億円

1.7億円

2.4億円

1.4億円

会員数

1,040万人

1150万人

1183万人

1214万人

 

 業績推移(note)

 

 

2020年

2021年

2022年

2023年

売上高

15.2億円

18.8億円

23.2億円

27.8億円

営業利益

-2.9億円

-4.6億円

-7.3億円

-3億円

純利益

-3.5億円

-4.4億円

-7.6億円

-4.1億円

会員数

 

260万人

 

380万人

580万人

733万人

 

売上高:会社の事業規模。会社に入ってきたお金。

 

営業利益:会社が本業でどれだけ利益を出しているか。

 

純利益:会社が最終的にいくら儲かったか。

 

 ここまでの所感

 

 まず、はてなの2020年から2023年までの業績推移を見てみると、全体的に着実な成長がうかがえるが、やや成熟ムードに入っているな、というのが筆者の見解です。ブログというサービスが、完全に消滅するとは思いません。新聞やラジオのように、一部の人は利用する、というかたちに落ち着いていくのではないでしょうか。今後、はてなブログを運営する株式会社はてなが、どのような事業を展開していくのか、ユーザーである私たち自身も注意していかなければなりませんね。

 

 noteの業績推移を見ると、売上高(会社に入ってきたお金)は拡大していますが、営業利益、純利益ともにマイナスで、やや経営に難があるのでは?というのが筆者の見解です。とはいえ、noteははてなブログよりも後発のサービスですから、今後の改善次第で化ける可能性もあるでしょう。売上高もはてなに迫る勢いで、会員数もこれからどんどん増えていくかもしれません。

 

 おわりに

 

 今回は、はてなとnoteの業績を比較してみました。はてなは着実に成長しているが、やや成熟期に入っているなという印象。noteは経営に少し不安が残るものの、まだまだこれからといった感じ。これらを考慮した上で、私はとりあえずはてなブログを始めてみました。両方始めて使い分けるのが1番賢いやり方だと思いますけれど、面倒なのでそれはやめておきました。はてなブログの改悪が目立つようなら、noteを含め他のサービスへ移行すればいいや、というスタンスであります。

 というわけで、私は今後、主に自身のインプット兼アウトプット目的で、記事を執筆していこうと思います。よろしくお願いいたします。

 

 参考資料

 

はてなブログから人がいなくなっているのは本当か?検証してみた」 

 『それっておトク?』最終閲覧2024年3月12日 

 (https://kotatsuxu.com/hatena_small)。

 

はてなが業績予想の上方修正を発表!2023年7月期の営業利益を前回

 予想比52.1%増、売上高を前回予想比0.1%増に修正して、前期比では

 「増収・減益」に!」『ダイヤモンドザイONRINE a』最終閲覧2024 

 年3月12日(https://www.diamond.co.jp/zai/articles/-/194)。

 

「プレスリリース」『Hatena』最終閲覧2024年3月12日 

 (https://hatena.co.jp/press/release/entry/2023/10/25/153000#:~:text)。

 

株式会社はてな2022年7月期決算説明資料』最終閲覧2024年3月12日

 (https://ssl4.eir-parts.net/doc/3930/ir_material_for_fiscal_ym/124500/00.pdf)。

 

「noteの月間アクティブユーザーが6300万人突破。法人利用も半年で倍増の1600件

 に。」『note』最終閲覧2024年3月12日(https://note.jp/n/n705929417079)。

 

「noteサービス開始7周年、インフォグラフィックを公開。ユーザー向け「コミュニテ

 ィガイドライン」など」『note』最終閲覧2024年3月12日

 (https://note.jp/n/n86b40aafc37c)。

 

「noteの決算情報」『MINKABU』最終閲覧2024年3月12日

 (https://minkabu.jp/stock/5243/settlement)。

 

「noteについて」『note株式会社ホームページ』最終閲覧2024年3月12日

 (https://note.jp/n/n37effe3bd2b3)。

 

 

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 ⇨個人的な利用(お仕事以外ってことです。)のためにこの記事をコピーするとか、授業の配布資料にするためコピーしたり、学校の課題レポートの参考資料とするためコピーするとかなら、いちいち私に確認を取る必要は無いっすよ、という意味です。参考・引用したことはちゃんと明記してください。

 ご自身のSNSなどに、このブログの記事を引用・転載する場合、出所(サイト名やURL)を明記してくれれば、基本的には確認なしでOKです。

 ただし、記事内で参考・引用されている著作物を使用する場合は、参考文献一覧などをもとに、ご自身で探したものを使ってください。

 

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「第2回 ブログの利用者数」

 はじめに

 

 こんにちは。

 

 前回の記事は、ブログを始めてみようと思ったから、ブログについて調べてみたよー、という内容でした。前回までに、ブログの概要や歴史について、さらっと学んできました。

 今回は、ブログの現状についてざっくり調べてみましたので、書いていこうと思います。ブログサービスってたくさんあってどれから始めたら良いのかわからないとなりまして。主要なブログサービスについて調べてみました。

 

 主なブログサービスの利用者数

 

Amebaブログ:6500万人(2019年時点)

はてなブログ:1214万人(2023年時点)

FC2ブログ:非公開

note:733万人(2023年時点)

 

 インターネットでざっと調べた感じでは、Amebaブログの利用者数が圧倒的でした。確かにユーザー数は多いんですが、Amebaブログは収益化にかなりの制限があるとのこと。すでに知名度のある有名人が、告知などで活用していることが多いみたいです。

 FC2ブログはカスタマイズ性が高く、アダルトコンテンツも制作可能みたいです。個人的には、よく見るのはFC2ブログなので、書くのもそちらが良いかなと思っていました。けれども、FC2ブログは使いづらいという評判が目立ちました。

 noteは文字に特化したシンプルな構成が特徴です。アフィリエイト(ブログ記事内で商品を紹介し、購入されれば何割かの報酬が得られる仕組み)には制限があるが、記事の有料販売ができるみたいです。

 はてなブログは、無料でブログを始めたい人におすすめされることが多いようです。今後収益化を目指す人の最初の第1歩として紹介されることもあるようです。

 

 ここまでをふまえて

 

 私は自分自身のインプットとアウトプットが主な目的で、ブログを始めました。ある程度記事を書き続けたら、ちょっと収益化にも挑戦してみようかな、という感じです。

 私はよく人から、「わかりやすいけど堅い文章を書くよね」と言われます。このブログもさっきから文章だらけで見づらいっすよね。キャッチーなサムネとか構成とか知らん、とにかく文章が書きたいんだ!という気持ちが強いので、私にはnoteが合っているのかなと思いました。

 とはいえ、小遣い稼ぎ程度にブログでも稼いでみたいよねー、という卑しい面も持ち合わせていますので、だったらはてなブログも捨てがたいかなと。さてどうしたものか(いいからさっさと始めろや)。

 

 おわりに

 

 ということで私の選択肢は、①はてなブログ②note③はてなブログとnote両方始める。この3つになりました。次回は、はてなブログとnoteの比較について書いていく予定です。

 

 ではまた。

 

 参考資料

 

「「Ameba」15周年で会員数6500万人、ブログ投稿25億件突破 記念サイトも開設」   

 『ORICON NEWS』最終閲覧2024年3月6日 

 (https://www.oricon.co.jp/news/2144249/full/)。

「プレスリリース」『Hatena』最終閲覧2024年3月6日

 (https://hatena.co.jp/press/release/entry/2023/10/25/153000#:~:text)。

「noteについて」『note株式会社ホームページ』最終閲覧2024年3月6日

 (https://note.jp/n/n37effe3bd2b3)。

 

 

 無断転載・無断複製禁止。ただし、私的利用、教育・研究目的での使用に関しては、著作権者の許諾を取る必要はありません。

 ⇨個人的な利用(お仕事以外ってことです。)のためにこの記事をコピーするとか、授業の配布資料にするためコピーしたり、学校の課題レポートの参考資料とするためコピーするとかなら、いちいち私に確認を取る必要は無いっすよ、という意味です。参考・引用したことはちゃんと明記してください。

 ご自身のSNSなどに、このブログの記事を引用・転載する場合、出所(サイト名やURL)を明記してくれれば、基本的には確認なしでOKです。

 ただし、記事内で参考・引用されている著作物を使用する場合は、参考文献一覧などをもとに、ご自身で探したものを使ってください。

 

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「第1回 ブログとは何か?」

 はじめに

 

 こんにちは。

 

 ブログを始めてみようと思い、はてなブログで記事を書いています。ですがブログを始めようと思うけど、「そもそもブログって何?」と疑問に思いまして。ブログを始めるなら、まずはブログについて調べてみよう、知った方が良いよねーとなり、軽く調べてみたのでそれを初投稿とします。よろしくお願いします。なお、資料中の下線は筆者が引きました。

 

 ブログとは何か

 

「(ウェブ-ログの略)ウェブサイトの一種。個人や数人のグループ形式で運営される日記形式のもので、情報提供や意見交換などのコミュニケーション機能が付加されている。」

(『広辞苑』第6版)

 

「〔blog ←web+log〕個人が日記形式で書き込めるウェブ サイト。開設者は身辺の出来事や、その感想を記したりし、閲覧者はそれにコメントを記すことができる。」

(『新明解国語辞典第7版』)

 

「インターネット上で公開する、日記形式のウェブサイト。作成が簡単で、読み手がコメントを書き込んだり、自分のブログで話題を知らせたりすることもできる。ウェブ(web)とログ(log)からの造語「ウェブログweblog)」の略。」

(『明鏡国語辞典』)

 

ウェブ(web)とログ(log)を合わせた言葉「ウェブログweblog)」の略。日記や日時記録のように時系列順に記事を並べたサイト。広く利用できる専門のインターネット-サービスやプログラムを使うのがふつうで,個人でも比較的容易に制作・公開・更新ができる。」

(『現代カタカナ語辞典』)

 

「ブログ(blog)⇨インターネット上に公開された⇨ホームページの一つ。ウェブログweblogの略称で,ウェブは⇨ワールド・ワイド・ウェブWWW,ログは記録を意味する。ブログを制作・公開する者をブロガーblogger,(中略)世界のニュースや身近な出来事に対する意見,感想,行動の記録などを日記形式で発信し,それを見た者がコメントを書き込むことで,双方向的な意見交換ができる。(中略)始まりは1997~99年頃で,特に2001年の⇨アメリカ同時テロを機に認知されるようになった。日本では2003年頃から広がったといわれる。(後略)」

(『ブリタニカ国際大百科事典』)

 

ウェブログweblog)」の略称で,日々更新される日記型個人ホームページの総称。従来の個人ホームページと異なり,専用のソフトウェアや記述形式が用意されていて簡単に作成できる。積極的な利用者は〈ブロガー〉と称される。1990年代後半にアメリカで生まれ,日本では2002年ごろから急速に普及。2005年9月の日本におけるブログ登録者数は473万人,2006年3月末にはブログ登録者数868万人にのぼった。(後略)」

(『百科事典マイペディア』)

 

 ここまでのまとめ

 

 ブログとは、ウェブログweblog)の略称である。ウェブログとは、ウェブ(web)とログ(log)を組み合わせた言葉のこと。つまり、インターネット上の記録という意味。ブログとは、インターネット上で公開する、日記形式のウェブサイトのことを指す。

 世の中で起きたことや身近な出来事に関して、自分の見解や主張をネット上で誰でも見られる形で公開する。それを見た人がコメントを記したりすることで、情報や意見を交換し合うこともできる。

 ブログを書いている人のことをブロガーと言う。

 

 ブログは1990年代後半にアメリカで生まれたとされる。2001年のアメリ同時多発テロをきっかけに広く知られるようになり、日本でも2002年から2003年頃、急速に普及した。日本におけるブログ登録者数は、2005年から2006年の1年間だけで、473万人から868万人へと倍増した。

 

 おわりに

 

 ここまでブログの概要や歴史について、軽く調べたことを述べてきました。私はべつに、ブログで課題レポートを書くとか、ブログについて調べて論文を書くのが目的ではありません。自分がブログを始めるにあたって、ブログってそもそも何?と気になったから調べているだけです。なのでブログの概要や歴史についてはここらへんでおしまい。

 ブログの概要や歴史に関してはなんとなくわかったよと。じゃあ次回はブログの現状について書いていく予定です。

 

 ではまた。

 

 参考文献

 

広辞苑』第6版。

新明解国語辞典』第7版。

明鏡国語辞典』。

『現代カタカナ語辞典』。

『ブリタニカ国際大百科事典』。

『百科事典マイペディア』。

 

※参考文献は筆者所有の電子辞書EX-word内臓の物を使用。

 

 

 無断転載・無断複製禁止。ただし、私的利用、教育・研究目的での使用に関しては、著作権者の許諾を取る必要はありません。

 ⇨個人的な利用(お仕事以外ってことです。)のためにこの記事をコピーするとか、授業の配布資料にするためコピーしたり、学校の課題レポートの参考資料とするためコピーするとかなら、いちいち私に確認を取る必要は無いっすよ、という意味です。参考・引用したことはちゃんと明記してください。

 ご自身のSNSなどに、このブログの記事を引用・転載する場合、出所(サイト名やURL)を明記してくれれば、基本的には確認なしでOKです。

 ただし、記事内で参考・引用されている著作物を使用する場合は、参考文献一覧などをもとに、ご自身で探したものを使ってください。

 

©2024 butamenlabo All Rights Rserved.